日記② 隠れ家みたいな小島について

線路の脇で、夏草が揺れてるのを見るのが好き。
乾いた土に焼けつく赤銅色の線路と、
濃い夏草の緑と、青空と、つめたそうな白い雲と。

あんまりにも色鮮やかで。

さるすべりは明るいピンク。
夾竹桃はフューシャ、

なにもかもが干上がっていくみたいな暑さ。

なにもかも夏の底に放り出して
音も気持ちも散らかしたままで
隠れ家みたいな小島に渡る。
歩いて橋を渡って。

こんもり緑が茂ってるせいか、急に少し涼しくなる。
階段を登って、せっかくだから神社にお参りもして。
空気が柔らかくて、許されてるみたいだって思う。
なんにもつけないままで、
なんにもなってないままで、
ただ優しくされてるみたい。

いつもアオスジアゲハがひらひら飛んでる。
空の上から鳶の鳴き声。

沖縄のガジュマルの木には、きじむなーっていう妖精?が住んでるっていうけど、
ここもなんかいそうです。

馬鹿げてるかもしれないけど
本当は疑ったことなんてない。
木や花やちょうちょや鳥や虫たちに魂みたいなものがあって、人のカタチではないけど
そこに意図みたいなものが存在してるって。
単純にアニミズムなんだろう。
(宗教やスピリチュアルには懐疑的)


あ、自慢ですけど私ここで初めて「大大吉」なるおみくじを引きました。
神社の女の子がお守りみたいのもくれました。
大事に枕もとに飾ってあります。
疲れたとき、あの島の空気を思い出します。
なんでかな、好かれて優しくされてる気がするんだ。
あまりにもたくさんをただ注がれて。

そんなふうにただ優しくされてるみたいに感じると、素直にごめんなさいって思う。
いろんな人を嫌ったり優しくできなかったこととか。
チクチクしたものについて。

誰だって優しくいたいだろう。
笑ってたいだろう。
それだけのことなのに、なんで難しいのだろう。
なんでこんなにいろんなことに傷ついてしまうんだろう。

週一回のデトックスだと思って、通ってます。
海を見ながら潮騒を聞いてると、なんにも考えない。
ただ光る海の波、包みこまれるような波の音がからだを流れてくだけ。
そういう時間ってなかなか持てないから、
すごく助けられてると思う。

視界がクリアでいろんなことがよりハッキリ見えるようになったことと、
記憶力があがってるのはそのせいだと思うんです。

目を閉じなければこんなにたくさんが見えて
こんなにたくさんがからだのなかに入る。


日常を生きるために切り落としていくものについて。(それが悪いわけでもない)


明日からまたボチボチ頑張ろうって思うんです。大分めげてるけどね。
まあオルガンもひかせてもらえるし、いいこともあるか……
夏の日々。