日記④ 届けられた鍵について

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台風は
もうとおりすぎた?

起きたらあまりに涼しい
透き通ってくような風が吹いてて

熱い紅茶をいれて
ベランダに椅子出して座った。


こんなにもしずかに1日が始まるんだ。


あんなに暑かったのに
もう秋の入り口みたいに涼しい。

ベランダからみあげる空は
電線に区切られてせまいけど

なんだか広くかんじる。

ひろく、ひらけてるように。


風が気もちいい。



昨日は蒸し暑く
なくした部屋の鍵は、ちゃんと交番に届けられてた。

日本息苦しいとか見張られてんのかよとか(笑)
ふだん文句言いがちなのに
こういうのは本当にすごいなって思う。

あの広ーい公園で鍵を見つけて
わざわざ(ちょっと遠い)交番まで届けてくれた人、
ほんとうに本当ーにありがとうございます!!m(_ _)m

だれかが困るかもって、
わざわざ交番まで届けてくれたんだよね……。じーん。

お礼もできませんが(名前とかの届け出がなかったので)、
本当に助かりました、感謝します。


私もますます、ただ人に親切にしたいなって思った。
っていうか、するよ!!

ちゃんと相手が望むものをくみとって動くっていうのが難しいなってたまに思うけど。
私はちょっととんちんかんだったり、自分勝手なところがあるから、
相手のためにと思いながら
自分がしてあげたいようにしてしまうことがあるので。
表面上は感謝してくれても、その中身のおおきな違いよ………。


その後は、なぜかひたすら掃除に勤しみました。ほんとうに1日がかり(笑)
たまに掃除したくなる。無性に。
まあ部屋が片付いてすっきりです。



とあるtwitter
「一億人がそれぞれ、自分をあげるか
他人を下げるかに一ポイント使えます。
ポイントはもちろん高いほうが良し、
あなたならどちらにしますか?」
ってクイズが流れてて、ハッとした。

彼がそのことを知らなくてはいけなかった
多分たくさんの出来事を想像すると
ちょっとズキッとするけど、

気づいて、自分はどうするかを選んで、
そういう洗練されたかたちで
人々に問いかけを投げかけられること、
にけっこう本気で感心した。

応援してます、頑張ってね。


そして私も、ある人たちにポイント下げられまくりでしんどくて(笑)
普通に悲しくて悔しくて傷ついたし
ぶつぶつ言いまくってたけど

反省しました。

もっと自分の人生にむかっていけるように
もっと強く広いひとになりたいな〜。

そのために世界のいろんなところにいったのだ。
それだけなんだよね。


今日は海のほうで花火大会です。
楽しみ。

日記③ 変わった日だった気がする。

なんの夢を見てたのかは忘れた。

朝起きて
泣きたかったんだな、
好きな人がそばにいたら
気が緩んで泣いてしまいそうだって思った。


昨日はなんか変わった日だった気がするので、日記を書いとこうと思う。

仕事が終わってから、オルガンをひかせてもらった。
いつもみたいに信じられないくらいあっという間の30分が過ぎた。
途中で男の子たちが「写真撮らせてもらっていいですか?」と顔を出した。
どうなんだろう、事務室に聞いてみて〜!と答えた。
(聞きに行かなかったみたい。牧師さんに聞いたら、好きに撮っていいらしいので、言ってあげれば良かったなー!と思った)

駅までの道で、10代の女の子たちがライブのタオルをかざしながら自撮りしてた。
近くのホールでライブがあるらしい、
すっごく可愛くて、写真撮りましょうか?と声をかけて写真をとってあげた。
恥ずかしいー!と言いながら、ばっちりタオルをかざしてお揃いでポーズ決める女の子たちのかわいさ!!
心の底から嬉しそうで楽しそうで。
白状すると、親切というより、可愛くて楽しそうで全身がパチパチきらきらしてるように見えて、かまいたくなっただけなんです(笑)。

道すがら、ライブに行く人びとがぞろぞろ(Tシャツとかを着てるのですぐ分かる)。
ライブのムードって最高、みんな全身で楽しんでて。
と思ったら、うっすら知り合いの高校生の男の子とすれ違った。
あっちも覚えててくれたみたいで、会釈をしてくれたので嬉しくなって手を振った。
かわいい男の子で、逢えて嬉しい、
小さいけど、ふふっと嬉しい出来事だった。


その後街に行って買い物をしてたら、
おじいちゃんが道に迷ってたので道案内をした。
最初男の人がおじいちゃんに説明してたけど、おじいちゃんわからないみたいで難儀してたので、どうせ同じ方向だし一緒に行きましょうか?と声をかけた。
見知らぬおじいちゃんと、一緒にゆっくり歩くいつもの街。
地下鉄の入り口まで送って、まだ買い物あるのでー!と手を振って別れた。


そこまでは良かったのだけど
今度は家の鍵がないことに気づいた。
慌てて帰りに寄った公園(ベンチに座った)と職場に行ってみた。
職場はかなり確率が低いのが分かってたけど、万一と思って。
男子が一人残ってて、鍵は見つからなかったけど、ぶつぶつ言ってちょっと気が晴れた。

それから家に帰って仕方ないので鍵の業者さんをよんで52000円かかりましたよって話。
高かった……。
カードキーは高いらしいです。
(消費税はまけてくれました)

業者さんがくるまで生け垣みたいなとこに座って、職場でもらったゼリーを食べた。
雲がかかった赤っぽい月を見上げながら。
そういや月食らしいし、
月きれいだなって思った。

夏の夜が好きだった。

夜風の感触も夜道のアスファルトも。
夏の夜の内側、あの深みみたいな静かな場所。
いきものみたいな巨大な夜のうちがわの感触。みあげるものと、つつみこまれる静けさ。


無事家に入ると猫がにゃあにゃあ言ってて

YouTubeをつけたら(←TVをつける感覚で)、好きなYouTuber?が元気に下ネタを言ってて、すごい勢いで気が抜けた。


そういや仕事中も車椅子の先生対応でいろあり、他の先生とおもいきり頭をぶつけあうという、あれもあんまりないことだった気がする…。

ちょうどオープンキャンパスで、学内ががやがやしてて、かわいいバルーンなんて飾られちゃって、私はお祭りっぽいざわめくムードがかなり好きって思った。

最近仲良くなってきた子と柱の影でくすくす話し合いついでに愚痴ってちょっと楽しかった。
かまえずに心から思ってることを言い合える人の大切さ。
普段みがまえて話してることがいかに多いか。
感じたことを共感を持って話し合う、
ちょっとしたことも、
やりとりみたいなものが命をもつとき。
本当にそれだけなんだよなってきゅんとする。


なんか盛りだくさんな一日だった気がする!!

反省事項。

好きで必要だからやっていた
だけだったはずなのに。

いつだってすぐにずれてしまう。

よく思われたい
認められたい
そういうすけべ心みたいなものに
いつもあっさり負けた。


すこしくらい上手にできても
褒められても

それがからっぽなことを知ってた。

そんなことじゃないのを知ってた。


なんにも減りやしない、
当たり前だ。
私はそれに向き合うんじゃなく
「それ」さえ自分の餌にして
売りに出してただけだから。



一生懸命にやってきたつもりの日々で
結局なにも作って来られなかったことについて、考える。


どうしたら、今度は
ずれずにいられるのかなって考える。


いつか、あまりにもつたないピアノの音を
あまく彩っただけの言葉の夢を
ほめてくれた人たちに。

いつか、私の世界のぜんぶだった風景に。

日記② 隠れ家みたいな小島について

線路の脇で、夏草が揺れてるのを見るのが好き。
乾いた土に焼けつく赤銅色の線路と、
濃い夏草の緑と、青空と、つめたそうな白い雲と。

あんまりにも色鮮やかで。

さるすべりは明るいピンク。
夾竹桃はフューシャ、

なにもかもが干上がっていくみたいな暑さ。

なにもかも夏の底に放り出して
音も気持ちも散らかしたままで
隠れ家みたいな小島に渡る。
歩いて橋を渡って。

こんもり緑が茂ってるせいか、急に少し涼しくなる。
階段を登って、せっかくだから神社にお参りもして。
空気が柔らかくて、許されてるみたいだって思う。
なんにもつけないままで、
なんにもなってないままで、
ただ優しくされてるみたい。

いつもアオスジアゲハがひらひら飛んでる。
空の上から鳶の鳴き声。

沖縄のガジュマルの木には、きじむなーっていう妖精?が住んでるっていうけど、
ここもなんかいそうです。

馬鹿げてるかもしれないけど
本当は疑ったことなんてない。
木や花やちょうちょや鳥や虫たちに魂みたいなものがあって、人のカタチではないけど
そこに意図みたいなものが存在してるって。
単純にアニミズムなんだろう。
(宗教やスピリチュアルには懐疑的)


あ、自慢ですけど私ここで初めて「大大吉」なるおみくじを引きました。
神社の女の子がお守りみたいのもくれました。
大事に枕もとに飾ってあります。
疲れたとき、あの島の空気を思い出します。
なんでかな、好かれて優しくされてる気がするんだ。
あまりにもたくさんをただ注がれて。

そんなふうにただ優しくされてるみたいに感じると、素直にごめんなさいって思う。
いろんな人を嫌ったり優しくできなかったこととか。
チクチクしたものについて。

誰だって優しくいたいだろう。
笑ってたいだろう。
それだけのことなのに、なんで難しいのだろう。
なんでこんなにいろんなことに傷ついてしまうんだろう。

週一回のデトックスだと思って、通ってます。
海を見ながら潮騒を聞いてると、なんにも考えない。
ただ光る海の波、包みこまれるような波の音がからだを流れてくだけ。
そういう時間ってなかなか持てないから、
すごく助けられてると思う。

視界がクリアでいろんなことがよりハッキリ見えるようになったことと、
記憶力があがってるのはそのせいだと思うんです。

目を閉じなければこんなにたくさんが見えて
こんなにたくさんがからだのなかに入る。


日常を生きるために切り落としていくものについて。(それが悪いわけでもない)


明日からまたボチボチ頑張ろうって思うんです。大分めげてるけどね。
まあオルガンもひかせてもらえるし、いいこともあるか……
夏の日々。

夏の日記① オルガンについて、ピアノの記憶

なにか書きたいな、と思って。

とっても個人的な記憶として、文を書いてみようと思う。

なるべくなら、なんの色もつけずに
ただ、いまここにあるものについて。


昨日はオルガンを弾かせてもらった。
オルガンを弾くのはもう8年くらいぶり。
懐かしすぎてくらくらする。
おみどうの感じも、静けさも。
まあもう足鍵盤どころか、手鍵盤もおぼつかない状態。
上手に、というか、今度はだれかのために弾けるといいなと思う。

世界にさしだせるものがほしかった。

というのはきっと変な言い方だけど。
自分のなかのグシャッとしたものをこえて、
「世界にさしだせるものがほしかった」と思う。
今はあまりにも下手だけど。
今度は、自分 でない、なにか のために。
弾けるといいなと思う。


そういえば、以前働いてた大学で
夏休みに教室にもぐりこんでピアノを弾いてた。
汗だくになりながら。
空の青さや雲を見上げながら。
あるいは海の底みたいな木々の間に揺れながら。


その教室棟のつきあたりには
壊れたピアノが置かれていた。
窓からの光をうけて、とっても静かに。
古めかしい木のピアノ、壊れて鳴らない音もあるし調律もされてない、少しチェンバロじみた音色で鳴るピアノだった。

窓枠には沈黙をふちどるみたいにびっしりと蔦が生えていた。
ヤモリの手みたいな吸盤のついた蔦で、見るたびになんとなく感心するくらいだった。
夏のてのひらの獰猛さ、生命力みたいなものに。

光のなかで干からびたみたいな、
風化して置き忘れられたみたいなピアノ。

実際にはそのピアノに触れることはほとんどなかったけど、
たくさん練習させてもらったピアノより生々しく、印象深く、たまに思い出す。
はっとするほど強く。
光のなか、深い沈黙のなかに、しんとあったピアノ。


ピアノ下手だし、いつも気持ちだけで走っちゃう。
もう少しちゃんと練習しないと。


減らないものがからだのなかにあって、
ずっとそのためになにかするしかない、みたいな感じだった。
ただ泣いたり怒ったりできたらいいんだけど
ただ泣いたり怒ったりするには、あまりにもいろんなものがそこにあって。
私じゃ手が届きようもないものがあって。
仕方ないなって思った。
仕方ないから引き受けた過剰なものが、
からだから減らない。
ずっと重い、痛い。


ひゃー、自分って面倒くさい。

まあそんな面倒くさい自分を整理するためにも、しばらく文でも書いてみようかなっと。
今日はこれから海に行きます。
お気に入りの場所があって、木の間からひかる海を見てるのが至福なんです。
鳴り続ける潮騒と、涼しい風と。
たまに本を読みながら、ただただぼうっとする。